文字の力
平野甲賀 一五二九円
のびやかにして華麗。愉快にして大胆な、甲賀流「踊る描き文字」の極意を一冊に集成。おびただしい描き文字の装丁のうちから選りすぐった54点に、未発表「架空装丁」12点を加えた珠玉の作品集。定規とペン、糊とカッターにかわり一台のコンピュータによる新しい本づくりの手法。文字にひそむ力をさぐり、かたちをあたえる描き文字の力業。

(シリーズ日常術) 平野甲賀〔装丁〕術・好きな本のかたち

平野甲賀 一四二七円
魚を釣る。焼物を焼く。友だちと酒を飲む。そして本を装丁する。ぼくの仕事は、ぼくのスタイルだ。最初の打合せから一冊の本が仕上るまで、本作りの実際にそくして語られる、ブックデザイナーの日々の冒険。「好きな本のかたちを見つけられれば、本を読む楽しさって、何倍にもなりそうです」(「オリーヴ」評)

花森安治の編集室
唐澤平吉 二二〇五円
戦後日本を代表する雑誌「暮らしの手帖」。編集長は極め付の頑固者だった。商品テストを発明。斬新なデザイン感覚、自在な文章術──。往年の編集部員が内側から語る、花森安治の伝説と素顔。「死後19年の歳月を経て彫り抜いた師の像。弟子の心根のいじらしさに泣いた」(増田れい子氏評)「矛盾と体臭までも描きこんだ」(森まゆみ氏評)

ペーパーバック大全 ──USA1939-1959
ピート・スフリューデス 渡辺洋一訳 四九九五円
〈ポケット〉〈ペンギン〉〈ポピュラー〉〈バンタム〉──名だたるペーパーバックの出版史をたどり、ナイーブで大胆、荒唐無稽で芸術的な、たゆまぬ挑戦にみちたカバーイラストとデザインの変遷を跡づける。カラー図版110点、モノクロ図版180点を付す。「研究書の領域を越えて、20世紀に君臨したアメリカ文化の探検記の趣がある」(週刊文春評)

ミニコミ魂
串間努編 一九九五円
「ミニコミ」──こんな言葉、あなたは知っていますか? 「ミニコミ」ってなんだろう。興味あるけど、なんだかよくわからない。そんなあなたのために、この本ができました。世の中にはたくさんのミニコミがあります。作り手へのインタヴューや実際の作り方、売り方。厳選された200誌の紹介など盛りだくさん。ミニコミのすべてがわかる本です。

活字が消えた日 ──コンピュータと印刷
中西秀彦 二六五〇円
「漢字を生きのびさせるにはコンピュータ化しかない!」活版印刷では日本有数の技術をもつ中西印刷が電算組版を導入することになった。校正ゾンビの出没や奇怪なJIS漢字コードに悩まされ、はては電算部門と活版部門との軋轢が……。難問山積のなか活版の名人芸に劣らぬ品質の組版・印刷の技をあみだしゆくまでの書下ろしノンフィクション。

印刷はどこへ行くのか
中西秀彦 一八九〇円
1992年、京都の中西印刷はついにコンピュータを導入。活版の時代が終わった。そして現在。DTP、印刷工程のフルデジタル化、オンデマンド印刷、CD-ROMやインターネットなどの、電子出版の登場など、印刷の現場はめまぐるしく動いている。本とマルチメディアとは共存できるのか。街の印刷屋さんの21世紀にむけた挑戦の記録。

美しい書物の話 ──中世の彩飾写本からウィリアム・モリスまで
アラン・G・トマス 小野悦子訳 二八三五円
美しい書物はどのようにして作られてきたか。中世にイギリスの辺境の島で作られた福音書。グーテンベルクの活版印刷術によって生まれた聖書。ウィリアム・モリスの理想の書物──。美しい書物を作った人々の情熱と運命を人間味あふれるエピソードによって物語る。書物の美しさのエッセンスを豊富な図版を駆使して解き明かす書物の文明史。

理想の書物
ウィリアム・モリス著 W・S・ピータースン編 川端康雄訳 三二六二円
ウィリアム・モリスは晩年、ケルムスコット・プレスを設立し、みずから理想とする書物の製作にのりだした。その活動の過程で発表された、書物芸術を主題とする論文および講演記録のすべてを集めた貴重な書。本を愛するすべての人に贈る。「モリスを知る上で最も重要な本のひとつである」(東京新聞・柏木博氏評)