はしがき

第一章 生の軌跡

1 幼少のころ
2 モダンダンスへの道
3 山岳映画のヒロイン
4 ヒトラーとの出会い
5 ナチ時代の映画製作
6 『オリンピア』
7 第二次世界大戦下で
8 戦後……逮捕……処遇
9 アフリカへの転換――写真家として再出発
10 「ヌバ」と「海中」と
11 来日と回想録

第二章 レニ・リーフェンシュタール製作の映画

1『青の光』――山岳映画と表現主義
2『信念の勝利』――映像によるナチズム神話の提示
3『意志の勝利』――ナチ感覚の追求
4『自由の日 われら国防軍』――現実の要請
5『低地』――自然と都市の対立パターン

第三章 映像に昇華されたオリンピック

『民族の祭典』
1 プロローグ――肉体美の追求
2 開会式・円盤投げ――古代ギリシアから現代ドイツへ
3 男子一〇〇メートル――「走るカモシカ」オーエンス
4 男子四〇〇メートル――英米決戦
5 男子三段跳び――お家芸で世界記録を出した田島選手と狂喜の日本人観客
6 男子走り幅跳び――静から動・完璧なリズム
7 男子走り高跳び――矢田・田中・朝隈、三選手の表情
8 男子一万メートル――村社対フィンランド三選手
9 男子棒高跳び――「記録性」を虚構した合成映像
10 女子四〇〇メートル・リレー――バトンを落としたドイツ・チーム
11 男子四百メートル・リレー――驚異の世界新記録
12マラソン――苛酷なレースの非情な映像
13閉会式――聖火台と光のドーム

『美の祭典』
1 デベリッツ選手村――自然のなかの選手たち
2 近代五種競技――クーベルタン着想の模擬戦場行動
3 マスゲーム――優雅な群舞から整然たる体操へ
4 十種競技――ひるがえる星条旗
5 ホッケー・ポロ・サッカー――試合記録より肉体美
6 馬術――騎馬将校の戦い
7 女子跳び板飛び込み――空中のバレエ
8 男子二〇〇メートル平泳ぎ――葉室対ジータス
9 男子一〇〇メートル自由形――新井はインパールで戦あ
10 女子二〇〇メートル平泳ぎ――カットされた前畑の力泳
11 男子高飛び込み――飛鳥のシルエット

『オリンピア』の美的作用

第四章 美が「機能」するとき美の「機能」とは何か

1 ワイマール文化からナチズムへ
2 美学の政治化と政治の美学化
3 美が「機能」になる状況
4 表層・亀裂・キッチュ
5 唯美主義と唯物主義の混淆

資料

1 レニ・リーフェンシュタール出演の映画
2 レニ・リーフェンシュタール製作の映画
3 実現しなかったレニ・リーフェンシュタールの映画構想

レニ・リーフェンシュタール年表

あとがき

文献目録