〈アリューシャン黙示録第1部〉 母なる大地 父なる空 上・下
スー・ハリソン 河島弘美訳 一六三一円
紀元前七千年、氷河時代のアリューシャン列島。一族皆殺しで生き残った十三歳の〈黒曜石〉。ラッコの精霊に導かれて一人旅立つ少女の前に、謎の老人が現れて……。原始の世界を舞台に、先史海洋民族の愛と死を描くノンストップ・ノベル。全米ベストセラー。「息つく暇もなく読みきった」「鮮烈な感動」「海洋冒険の最高傑作!」(読者)。

〈アリューシャン黙示録第2部〉 姉なる月 上・下
スー・ハリソン 行方昭夫訳 一七三三円
女の子はいらない。父親に呪われつづけた〈誰〉。親の定めた結婚は、少女を父の虐待から救いはしたが、真に愛するのは夫の兄だった。呪い。殺戮。凌辱。裏切り。復讐。運命に翻弄されながらも、大自然の懐に抱かれて〈誰〉は真実の愛を貫く。「こんなに深く愛せるなんて」「物語にのめり込んだ」「神秘な別世界を旅した気分」(読者)

〈アリューシャン黙示録第3部〉 兄なる風 上・下
スー・ハリソン 行方昭夫、河島弘美訳 一八三五円
夢にまで見た再会。おたがいの生を確かめあったのも束の間、ふたたび引き裂かれた〈誰〉と〈ナイフ〉。二人の愛は永遠にすれちがうのか。そして双子の息子たちの運命は? 海に生き、傷つきながらも懸命に生きぬく人類の祖先の物語は、ここにいよいよ、そのクライマックスをむかえる。大好評アリューシャン黙示録三部作、待望の完結篇。

〈ディネーセン・コレクション〉 アフリカの日々
横山貞子訳 二六二五円
北欧の貴族社会を捨てアフリカに渡り、ケニアのコーヒー農場の女主人として十八年間を生きた、誇り高き男爵夫人の死と転生の物語。自伝文学の白眉としてのみならず、壮大なアフリカのサーガとして、二十世紀文学に不滅の光茫を放つ、幻の大作を待望の初紹介。デンマーク最大の女性作家の魅惑にみちた世界が、いま色あざやかに蘇える。

子どものための美しい国
ヤヌシュ・コルチャック 中村妙子訳 三九九〇円
ぼくらの自由の国をつくろう! 大人は学校へ、子どもは仕事へ。子ども国会の設立。アフリカ人食い族との交流……。つぎつぎと画期的な改革にのりだした少年王マットの大きな夢と冒険。「ゆかいで、もの悲しく、皮肉で、感動的な物語」と、モーリス・センダックが激賞したポーランドの幻の傑作が、発表から60年を経て、いまよみがえる。

ベスト版・ たんぽぽのお酒
レイ・ブラッドベリ 北山克彦訳 一八九〇円
アメリカはイリノイ州グリーンタウン。輝く夏の陽のなかを、かもしかのように走る少年ダグラス。夏のはじめに仕込んだタンポポのお酒一壜一壜にこめられた、愛と孤独と死と生長の物語。SF文学の名手ブラッドベリが、少年のファンタジーの世界を、閃くイメージの連なりのなかに結晶させた傑作。

〈晶文社クラシックス〉 やし酒飲み
エイモス・チュツオーラ 土屋哲訳
ここはアフリカの底なしの森。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだやし酒づくりの名人をつれもどしに、「死者の町」へ旅立つ。頭蓋骨だけの奇怪な生き物。地をはう巨大な赤い魚。うしろ向きに歩く死者の群れ……。幽鬼が妖しくゆきかう恐怖の森を、魔法の力で変幻自在に姿を変えてさまよう、やし酒飲みの奇想天外な冒険。一六八〇円

少年キム
ラドヤート・キプリング 斎藤兆史訳 二九九三円
あるときは裏町のヒンドゥー小僧。あるときはエリートの英国少年。あるときは高僧の一番弟子。あの子は誰だ??前世紀末インド、英露のスパイ合戦を背景に東西それぞれの知恵と流儀を生きるみなしごキム。その冒険と成長を壮大なスケールで描くノーベル賞作家の最高傑作! 「キプリングは混沌をやすやすと現前とさせる」(丸谷才一氏評)

森と文明
ジョン・パーリン 安田喜憲・鶴見精二訳 四七九一円
文明の盛衰の鍵は森にある。古代メソポタミア以来五千年、人類はつねに森に依存してきた。トロイ戦争もアメリカ独立戦争も豊かな森をめぐる争いだった。青銅器・鉄器の誕生や産業革命にも、森が深くかかわっていた。人類の歴史を森との関係のなかから丹念に読みなおし、深刻な環境問題をかかえる現代にあらたな光を投げかけるすぐれた書。

帰ってきたオオカミ
リック・バス 南昭夫訳 二四一五円
オオカミはかつて北半球の大部分の地域にいた。いまは絶滅しようとしている。そのオオカミが米国モンタナ州の原生林に60年ぶりに現れた。群れの保護に尽力する動物学者。牛の被害におびえる牧場主。そのただなかを種の尊厳をかけて疾走する「最後の野生」のオオカミたち。O・ヘンリー賞作家によるネイチャー・ライティングの傑作。