障害者に迷惑な社会
松兼功 一九三七円
障害者が歩けば、偏見に当たる!? 街角で、電車の中で、映画館で、ごくあたりまえの楽しみや生きがいを味わえない社会から、障害者は迷惑をかけられている。日常生活のあれこれをはじめ、政治と福祉、ボランティア、「差別表現」問題まで、鼻の先でワープロを打ちつつ考える著者の怒りと笑いと真情とがあふれるエッセイ集。

障害者の地球旅行案内
おそどまさこ 一九九五円
白杖を片手にスコットランドひとり旅、電動車椅子でナイアガラの滝を見に単独旅行──「体が不自由になる老後だって旅したい」と願う著者が、障害をもつ人々と旅行づくりを始めた。単独旅行に出掛けている人の話を聞き、盲導犬を連れていくツアーを組む。本書は、そこで得たノウハウやエピソードが満載されている。読むほどに勇気百倍。

〈サックス・コレクション〉 手話の世界へ
オリバー・サックス 佐野正信訳 二一四一円
音声言語にまさるともおとらぬ豊かな表現力をもつ「手話」。手話が禁じられた時代から今日まで、ろう者の歴史を辿りつつ人間の脳の驚くべき潜在力を明らかにする。人間のコミュニケーションに新たな可能性をひらくこの言語を通して、ろう者の文化に光をあて、言葉とは何か、人間とは何かを新しい視点で捉えなおす優れたメディカルエッセイ。

言葉のない世界に生きた男
スーザン・シャラー 中村妙子訳 二四四七円
〈序文・オリバー・サックス〉 耳が不自由で27歳まで言葉を知らなかったメキシコの青年イルデフォンソ。手話通訳者のスーザンは、聾者クラスで彼に出会う。言葉の概念さえもたない彼に、彼女は全身で語りかけ、献身的な努力が実り、ついにイルデフォンソは手話で自分を表現しはじめる。出会いが生んだ奇跡を描き、人間の可能性に光を投げかける、感動のドキュメント。

失聴 豊かな世界の発見
ハンナ・メーカ 鴻巣友季子訳 二四一五円
作家である著者はスキー事故で聴覚を失う。音探しの冒険が始まった。稲妻に雷鳴のとどろきを感じ、記憶を総動員して音楽会を楽しむ。〈聴く〉とは五感を開いて想像し、心の耳で感じとることなのだ ──聴力を失って見つけた、まったく新しい〈音〉の世界。「この世がいかに余分な会話、不必要な音楽騒音に満ちているかを教えてくれた」(朝日新聞評)

視力のない世界から帰ってきた
ロバート・V・ハイン 山田和子訳 二四一五円
君はいずれ目が見えなくなる──20歳のときの失明予告が、50歳の歴史学者に現実としてふりかかった。15年後手術によって奇跡的に視力を取り戻すが、甦った目に映るのは荒れ狂う色彩、デフォルメされた人の顔……「見える世界」と「見えない世界」を行き来した感動の手記?。「未知の世界の冒険記?。不思議なくらい読むのが楽しい」(週刊文春評)

隔絶された少女の記録
ラス・ライマー 片山陽子訳 二五四八円
1970年ロサンゼルス。やせ細った少女が発見された。誕生以来13年間、父親によって小部屋に閉じ込められていたのだ。少女ジーニは泣くことも叫ぶことも知らなかった。研究チームが作られ少女は実験台となる。やがて笑うことを覚え他人に愛着を示しだすが、ついには……。科学と大人達に翻弄され傷ついた心と体のまま消えた少女の記録。

〈サックス・コレクション〉 妻を帽子とまちがえた男
オリバー・サックス 高見幸郎・金沢泰子訳 二九五七円
人間への信頼をとりもどすために。映画『レナードの朝』の原作者、脳神経科医サックス博士がつづる24の感動の物語。脳神経に障害をもち、不思議な症状があらわれる患者たち一人一人の豊かな世界にふみこんだ、人間の心と体への深い洞察にみちた傑作メディカル・エッセイ。「科学的な物語が、同時に感動的だとは驚くべきことだ」(読売新聞評)

〈サックス・コレクション〉 レナードの朝
オリバー・サックス 石館康平・石館宇夫訳 二九五七円
若き脳神経科医サックスが赴任した病院には食欲も人間らしい表情もない半昏睡状態の患者たちがいた。彼らはサックスの渾身の治療によって数十年の眠りから「めざめ」るが、それもつかのま、恐ろしい「副作用」との闘いがはじまるのだった。レナードをはじめ、病とともに生きる20人の患者たちと正面 から向きあった感動の記録。傑作医学エッセイ。

障害者の日常術
障害者アートバンク編 一九三七円
目が見えなくても、手や足が動かなくても、仕事もするし、恋愛もする。車椅子でスポーツだってするし、子育ても楽しむ。さまざまなハンディーとともに生きる29人の人々が、工夫と発見にみちた日々の暮らしと意見を自由に語る、かつてないインタヴュー集。「ユーモアにあふれたふだん着のことばは、かえって感動的だ」(日本経済新聞評)