柳田国男(一八七五─一九六二)

──言葉は時世につれて幾らでも変って行くものだということに心づき、……更に好い言葉をこしらえるように、めいめいが念じまた努めて行くことは必要で、それをただ自然の成り行きにまかせて置くと、……まずい結果になる。(毎日の言葉)
──言論の自由、誰でも思った事を思った通りに言えるという世の中を、うれしいものだと悦ぼうとするには、……急いでまず思うことの言える者を出来るだけたくさんに作り上げる必要がある。(喜談日録)
 *
兵庫県生まれ。東大法科卒。農商務省勤務の一方、『遠野物語』などを著す。四四歳で官職を辞し、民俗学に専念。『妹の力』『海上の道』等によって柳田民俗学を打ちたてた。