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■安全なローマ |
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![]() ラツィオ対ボローニャ戦のチケット |
![]() 「Jバス」のガイドと1回券 1900リラ、1日券4700リラ |
| 話はすこしそれたが、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂に到着。この大聖堂は、もともとは4世紀初めにコンスタンティヌス帝によって建てられ、ヴァチカンに教皇座が移るまで長年カトリックの中心だったところで、現在でもローマの司教座はここにある。 サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂よりもさらに多くの巡礼者が集まり、「ポルタ・サンタ」にも長い列ができている。広場ではワイワイとにぎやかに記念写真を撮る人、はぐれてしまい大声で仲間を探す人、巡礼疲れでぐったりとした年寄りと子どもたち、などなど、まさにカオス状態だ。向かいにある「スカーラ・サンタ」(聖なる階段)は、跪いてのぼらなくてはならないため、さらに長蛇の列ができている。「何事も苦労はともなうもの。巡礼するのも簡単ではない」と、神が試練を与えてくださっているのだ、なーんて思っている人もいるんでしょうね、きっと。 とてもではないが1日でまわりきれるものではないとわかり、残り2つは翌日にまわすことにして、夜のサッカーのために体力を温存する。 とりあえず大好きな地区トラステーヴェレに行き、うまいものをたらふくいただいた後、ホテルでひと休み。 夜、サッカー観戦のため、スタディオ・オリンピコへ行く。さすがにパルマにくらべると警備の人たちがたくさんいる。場内はすでに発煙筒をたくなど、熱い応援がはじまっている。地元ラツィオにしてみれば、昨シーズン、ひさしぶりにチャンピオンに返り咲いたが、今シーズンはちょっと不安な立ち上がりをみせている。それに加えて永遠ライバルA.S.ローマ(中田のいるチームです)が首位にいるので、どうもサポーターたちはイライラしているようだ。 私個人はチームとしてのラツィオにも興味はあるが、今回は3日前に観たパルマのファビオ・カンナヴァーロとともにイタリアのディフェンスの要である、アレッサンドロ・ネスタが目当て。 ラツィオの守備は典型的なライン・ディフェンス。 そしてそのラインの上げ下げをきちんと統率するがセンター・バックであり、キャプテンであるネスタの役目だ。ときどきラインを上げられずに残ってしまうミハイロヴィッチなどがきびしい叱責をあびていた。うーん、パルマの守備とはまったく違う。しかし、これが不思議とネスタとカンナヴァーロが同じチームになるイタリア代表では、2人は何の問題もなく息の合った完璧な守備をしている。 試合は一方的なペースで、2対0でラツィオの勝ち。ベロンの文字どおりキラーパスをクレスポがきめたビューティフル・ゴールも観ることができたので大満足。 試合後、市電でポポロ広場までもどると、すでに11時。以前ローマっ子の友人から、夜8時を過ぎたらあぶないから街を歩かないほうがいいと言われたし、たしかにローマでは8時を過ぎると人通りが少なくなるので注意をしていたが、今回驚いたことにたくさんの観光客が夜の散歩を楽しんでいる。これもまたジュビレオの恩恵なのか、いつものローマにはない風景だった。 |
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![]() サン・ジョヴァンニ ・イン・ラテラーノ 大聖堂の「ポルタ・サンタ」 |
| ■生で見たローマ法皇 翌5日、巡礼のつづき。まず街の中心からはすこし離れた地区にある、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂へ行く。19世紀に火災のため立て直されているので、ローマの聖堂にしてはずいぶんと新しい感じがする。ここの広場でも「ドゥオモ旅行社」の巡礼ツアーの面々が疲れはてて腰をおろしているため通路がとおりにくく渋滞している。やっとたどりついて「ポルタ・サンタ」から内部に入っても、中は中でとても身動きがとれる状態ではない。しかたがないので早々に退散した。 サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂からヴァチカンまではJ4のバスで行けることがわかり乗り込む。これはほんとうに驚くほど便利なのだ。このバスがなければここからヴァチカンに行くには地下鉄を乗り継ぐなど、もうすこし面倒くさいし、時間もかかる。 ヴァチカン付近でさらに驚いたのは、いろいろなところに仮設の両替所、トイレなどが用意されている。まさに至れり尽せり。ローマに着いて3日しかたっていないが、おそるべきヴァチカンの実力をみせつけられた気がした。 ヴァチカンの中心サン・ピエトロ広場は、回廊のところに空港にあるような金属探知機やX線の設備が用意されていて、内部に入る人間は厳重にチェックをうけるシステムになっている。それもそのはずで、そのときサン・ピエトロ広場ではジュビレオの記念行事が行われていて、中央の特別席にはサン・ピエトロ大聖堂のファサードを背にローマ法皇が座り、全世界に向けて、いろいろな国の言葉でメッセージをおくっている。うーん、はじめて見る生パパ。お顔なぞめったに拝めるものではないだろうからと思って懸命に目をこらしてみましたが、遠すぎちゃって、いるなってことしかわかりませんでした。半生パパといったところか……。 翌日イベントが済んでから最後の巡礼のため、ふたたびサン・ピエトロ大聖堂を訪れた。さすがは総本山(カトリックなのに総本山っていうのかな?)、混みかたが他の3つの大聖堂とは違う。「ポルタ・サンタ」にならぶものすごい人の数、しかもかなりの雨。 結局、列の最後尾についてから中に入るまで30分以上かかった。 「ポルタ・サンタ」の付近はさらに混雑していて、押すな押すなの大騒ぎだ。どこの「ポルタ・サンタ」でもくぐるときには皆、跪いたり、十字をきったりするものだが、ここではうしろからぐいぐい押されるものだから、ゆっくりと祈りをささげることができない。くぐるまえに扉のところで立ち止まろうとすると、抵抗むなしく、静かに祈りをささげるどころか、「アー」「キャー」と叫び声をあげながら押し出されていく。今日のためにお金をためて、やっとのことでここに来ただろう巡礼者たちは、あまりのことに皆呆然としていた。あまりの不条理ぶりに、もうしわけないが笑いを我慢するのがたいへんだった。 夕方、サン・ピエトロから大好きなコーラ・ディ・リエンツォ街を散歩しながら、街の中心へもどる。えっ、何のためにかって? それは、無事に巡礼も終えたことだし、心おきなく買物をするためです。フ、フ、フ、フ。 ジュビレオが終わっても、こんなにゆっくりと安全にローマの街が散歩できるといいのだけれど、まあ無理でしょうね。 翌朝、後髪を引かれる思いで、タクシーに乗り、レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港に向かう。ユベントス・ファンの運転手と時折サッカーの話などをしながら約30分、出発ロビーに到着する。料金は荷物代など込みで8万5000リラ。チップ込みで9万リラを「おつりはいらないよ」と言いながら支払う。運転手も満面の笑みだ。 そして荷物を持ち、行こうとしたその瞬間、運転手が「すいません、4万5000リラしかもらってませんが……」と言って、1万リラ札4枚と5000リラ札1枚を見せる。いつのまにか、5万リラ札が5000リラ札にすり変わっている。 やられた、と思ったが、できるだけ落ち着いたきびしい口調で、「ちゃんと払ったよ!」というと、ポケットをゴソゴソとさぐり、ヘラヘラ笑いながら「あっ、もうしわけない、ありました」と5万リラ札を取り出す。 いけない、いけない。コイツらに金を払うときは、「はい、5万、6万、7万、8万……」と数えながら1枚1枚わたすのが鉄則だった。あまりにも快適なローマ滞在だったのでつい油断していた。ローマはやっぱりローマなんだ。 |
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![]() サン・ピエトロ広場で行われた ジュビレオの記念行事 |
![]() サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ 大聖堂の「ポルタ・サンタ」 |